医療法人社団東光会 戸田中央リハビリテーション病院

患者さんを中心としたチーム医療のなかで「情報共有」の重要性を実感。リハビリテーション病院の療養環境づくりに貢献

医療法人社団東光会 戸田中央リハビリテーション病院
患者さんを中心としたチーム医療のなかで「情報共有」の重要性を実感。リハビリテーション病院の療養環境づくりに貢献

戸田中央リハビリテーション病院様は、戸田中央メディカルケアグループ(TMG)として初の回復期リハビリテーション病棟を有する専門病院です。2002年の開院以来、20年以上に渡って地域の医療に貢献されてきました。2019年の増床移転に伴い、リハビリテーション専門病院としての機能をさらに高めるために、さまざまな設備改良がおこなわれました。その中の1つのプロジェクトとして導入されたベッドサイド情報端末「ユカリアタッチ」について、同院の皆さまにお話を伺いました。

新築移転とともにアナログ管理を廃止し、患者さんもスタッフも守られる環境へ

― まずは看護部長 橋本様にお話を伺います。ユカリアタッチを導入された経緯を教えていただけますか?

橋本様:当院は2019年に増床移転が行われた際に、当時の看護部長がユカリアタッチの導入を提案されました。背景として、旧病院では患者さんの活動度、検査やリハビリなどのスケジュールが書かれた用紙を、それぞれパウチして病室に掲示しており、毎日手書きで記入するという業務がありました。

電子カルテからの転記業務などの負担軽減という意味ではスタッフを守るため、また以前であれば患者さん自身が立ち上がって掲示を見る必要がありましたが、ユカリアタッチを見やすい位置にアームで設置することで横になったままでも表示が見えるようになり、患者さんの安全も守られるようにという目的で導入が推進されました。

看護部長 橋本様

― 導入後の所感はいかがですか?

橋本様: 病棟に50人患者さんがいると、50通りのADL(日常生活動作)があります。すべて覚えることはできないので、ユカリアタッチを見てケアを実施することでミスが無いという安心につながっています。

また、バイタル連携機能はスタッフからとても好評です。夜勤者が朝の病棟ラウンドをする際に、全患者の検温だけで相当の時間がかかってしまうところ、ユカリアタッチと連携している測定器を使えばその場で電子カルテに入力が完了します。測定値をメモして後でカルテに転記する、という手間や誤入力のリスク、情報が共有されるまでのタイムラグも防げます。検温後の採血等の業務もスムーズに進むようになりました。

毎週のカンファレンスでケア情報の見直しが習慣化され、運用が定着しました

― 病棟内での運用はどのようにされていますか?

橋本様:導入から3年以上経ちましたが、院内ではすっかりユカリアタッチが浸透しています。

ユカリアタッチは電子カルテで特定の項目に入力を行うと、ベッドサイドの端末に表示が更新される仕組みになっています。

基本的には受け持ちの看護師が日々情報の管理を行っていて、活動度の変更等があった場合にはその都度変更しています。加えて、週に1回ケア項目の確認カンファレンスを実施しており、入力されている情報が正しいかどうかをチームで確認しています。実はカンファレンス自体はユカリアタッチ導入前から実施していたのですが、アナログの掲示でケア情報を管理していた時には「後で修正しておきます」と言って忘れてしまう、ということもしばしばありました。今は電子カルテを見ながらその場で変更ができるので、効率的になったと感じています。

適切な環境整備を徹底し、回復期リハビリテーション病棟での転倒事故予防を強化

― 続いて、看護部係長 本橋様に伺います。医療安全の側面からは、具体的にどのような点で貢献できていますか?

本橋様:患者さんに合わせた環境整備を実施して、転倒・転落などの事故防止のために活用しています。

例えば、患者さんの安全対策として、コールマットやベッドセンサーを夜間だけ使っていたり、昼間は杖を使って歩行して夜間は車椅子を使用していたり、活動度が異なっていることがあります。

患者さんのラウンドで訪室する際に、患者さんへ声掛けを行いながら、そのような環境がきちんと整っているかどうか、ユカリアタッチで確認をすることができます。日勤者と夜勤者の切り替わりのタイミングや、リハビリからの帰室後など、ちょっとした曖昧な時間に転倒・転落のインシデントが起こりやすいので、まずはベッドサイドの表示で確認をして、環境整備を適切に行うようにスタッフの習慣づけを行っています。

看護部係長 本橋様

加えて、患者さん個別の詳細情報の確認ができますので、「血圧測定 右上肢禁止」といった注意事項や「入れ歯」などの所持品も確認をしてもらうようにしています。

ベッドサイドで情報を確認することはミスのリスクを減らすだけでなく、わざわざナースステーションまで行って確認するような手間も省けますので、業務の効率性や働きやすさにも繋がっていると感じています。

ユカリアタッチで情報共有を行い、多職種連携・協働を実践しています

― ここからは実際にユカリアタッチをご利用いただいている看護部やリハビリテーション部の皆さまにお話を伺います。日頃の業務の中でユカリアタッチをどのようにご活用いただいていますか?

本石様:検査やリハビリといった患者さんのスケジュールが表示されるので、ご自身で確認をして1日のスケジュールを立ててもらっています。ある程度自立されている患者さんに限られてしまいますが、わかりやすくて良いと思っています。

山本様:患者さんの活動度の表示がとても助かっています。この患者さんの今の状況が「歩行なのか車椅子なのか」「一部介助なのか全介助なのか」というような情報を他の担当スタッフと共有しています。変更があってもすぐに電子カルテから操作して表示できるところも気に入っています。

高様:当院だと365日毎日リハビリを実施しているので、担当以外のスタッフが代理で入ることもあります。もちろん事前に申し送りもありますが、初めてご一緒する患者さんの病床に行ったときに改めてユカリアタッチで情報を確認できるのは安心感があります。「血圧測定 右上肢禁止」や「脱臼肢位」などリスク管理するうえで大事な情報が表示されているのは助かりますね。

(左から)看護部 山本主任、リハビリテーション部 高係長、看護部 本石主任

― 今後もユカリアタッチを効果的にご活用いただけるよう、サポートをさせていただきます。貴重なお話をありがとうございました!

※役職は2023年8月現在

お客様情報

医療法人社団東光会 戸田中央リハビリテーション病院

埼玉県戸田市新曽南4-1-29
2科(リハビリテーション科、内科)
200床